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毎日美味しい作物に恵まれている事に感謝しつつ、何気なく触れている土について調べてみた。
同じように見えるが、砂と土壌と土の違いは何だろう。
   
  ■ 砂、土壌、土 
 
そもそも、砂とは岩石が風化され細かい粒子になったものの集合体である。
粒子の直径が1/16ミリから2ミリのものを砂と呼び、それより大きい物を礫 、細かい物をを泥と呼ぶ。

土壌とは、岩石が風化され細かい粒子になったものに生物活動の影響を受けた物質層のことである。

同じ岩石が風化され細かい粒子になったものだが、土壌の場合は粒子の直径の大きさで4段階に分ける。

粗砂  2.0〜0.2mm 土壌の骨組みとなり、粒子間の孔隙を大きくして通気性、排水性を良く
              する。
細砂   0.2〜0.02    同じ

シルト 0.02〜0.002  粘着性はないが、わずかに凝集性がある。
 
粘土   0.002以下   物理化学反応に寄与する。粘着性や凝集性がある。

砂も泥も粘土も土壌も総称して土と言ったり、砂以外を土と言ったり、土壌だけを土と言ったりする場合があるが、陶芸では粘土を土と言うし、泥も土と同じと思う事が多いから、砂以外を土と言うのが一般的だろう。

では生物活動の影響とは何だろう。

これは弊社工場でコンクリート工事用に買い置きしていた山砂で、手付かずで5年ほど経っている。


最初は雑草も全く生えなかった。その内、少し雑草が生え、枯れて栄養になってまた雑草が生えて、5年経ったこの頃はごらんの通り、雑草、苔などが多くなって幾らか土壌の赤ちゃんのような感じもしてきた。
このまま100年もすると立派な土壌が出来て潅木くらい生えているかも知れない。



こちらは近くの雑木林で、



落葉、小枝、ドングリも良く落ちているし、色々な虫も鳥も蛇、トカゲ、狸もイタチも見たことがある。当然それらの糞も死体もある。これらの有機物が堆積されて微生物で分解されて、時間をかけて完熟堆肥になっていく。
これが生物活動の影響である。
 
すなわち、ミミズやダニが有機物を解体、糸状菌(カビ)が解体された有機物の糖やアミノ酸を分解、放線菌(土壌酵素)がたんぱく質や繊維質を分解します。
最も数の多い細菌(バクテリア)らの働きで腐植が作られこれらが微生物の餌となるばかりか、粘土を集めて団粒と言う、植物に良い条件の直径数ミリのふかふかした塊を作ります。
腐植も最終的には炭酸ガス、水、アンモニア、硝酸塩、リン酸などの無機物に変換され植物の根から吸収し易くなります。

植物は光合成で作られた炭水化物、アミノ酸、有機酸等の10%を根から分泌して微生物の
餌とします。
根の周りに張り付いた菌根菌は根に養分を供給するばかりでなく、有害な菌が根に取り付くのを防ぎます。植物と微生物や微小動物は共生しているのである。

粗砂、細砂、シルト、粘土の無機物と堆肥、腐植等の有機物、水分、空気、微生物、
微小動物の混じり合ったものが土壌である。

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■肥料と堆肥
森林では樹木は土壌から必要な養分を吸収して成長し、枯れて腐ってその場で養分を土壌に返す事になる。動物や昆虫の糞や死骸も養分の供給元となり、窒素もリンもカリウムもその場で循環する。
しかし、畑では養分は作物と共に持ち去られるから、持ち去られた分は補充しなければならない。
その手段として積極的に化学肥料が使われる前は木の葉と下肥で作られる堆肥を使った有機農法が行われていた。
完熟堆肥は殆どが腐植で窒素、カリウム、リンを含みます。また腐植は豊かな微生物のねぐらとなり、その働きで土壌は団粒化して作物の育ち易い環境を作ります。

近年、化学肥料や農薬が積極的に使われるようになって、農地の腐植が減り、それにつれて微生物も減って農地の作物を育てる力(地力)が落ちたといわれています。

前にも述べたように植物の生育とは微生物との共同作業なのです。化学肥料は微生物の力を借りなくても栄養をすぐに吸収させられますが、これは点滴と一緒で健全な状態とは言えず、根に悪い菌が付いても守ってくれる善玉菌も少ないですから、作物が病気になり、農薬で殺菌する事になり、益々、土壌中の善玉菌も減ってしまう悪循環を起こします。
解明されていない微生物の働きも有り、出来た作物を比べても有機農法で作られた作物の方が、美味しいし、栄養的にも優れています。
アトピーや喘息、花粉症の原因のひとつが農薬、化学肥料浸けの作物だと言う学者もいます。

微生物をたっぷり含んだ腐植がポイントのようです。
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■フランスの農業
今、日本の農業を考えたとき、半世紀も前に化学肥料や農薬の近代農業の弊害を体験し、克服したフランスの農業が参考になると思います。
第一次世界大戦後の復興に伴う食糧増産の必要から、化学兵器の技術を応用して、化学肥料や農薬の大量生産に成功し、フランスの農業は機械化と安い化学肥料と農薬を使った大規模農業により、農産物の一大生産国となりました。因みに現在でも食料の自給率は130%で世界のトップクラスです。

アメリカ      125%
オーストラリア   300%
ドイツ        100%
日本         40%
 
当初は目覚しい生産量の増加が有りましたが、土壌の劣悪化によって、作物の品質低下、病害虫の発生、連作障害で苦しむ事になります。
その対策を細菌の世界的研究所、パスツール研究所に依頼しました。
1943年、研究に着手した研究チームは腐植と微生物の働きを解明し、作物の生育に有益な微生物を世界中から探し出し、有機倍地に絶妙のバランスでブレンドし、堆積、培養する技術を開発しました。

その技術を元に世界初の微生物農業資材「コフナ」が誕生して世界中で使われるようになりました。1950年の事です。
最近のフランスの農業は、アメリカ型の単一品種大規模栽培と違う、地方色豊かな昔から行われていた自然を大切にする農業に比重を移そうとしています。
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